一度きりの血尿でも、重大な病気のサインかもしれません 血尿とは、尿に血液が混じる状態を指し、目で見てわかる「肉眼的血尿」と、顕微鏡でしか確認できない「顕微鏡的血尿」に分けられます。原因はさまざまで、腎臓や尿管、膀胱、尿道など尿路系のどこかに異常がある可能性があります。代表的な原因には、尿路結石、膀胱炎、腎炎、前立腺肥大、またはがんなどの重大な疾患も含まれます。特に痛みを伴う血尿は尿路結石の可能性が高く、無痛の血尿は腫瘍性疾患が疑われます。血尿を発見した場合、たとえ一度きりでも自己判断せず、早めに泌尿器科を受診することが大切です。尿検査、超音波検査、CT、膀胱鏡などによって原因が特定され、適切な治療につながります。健康管理の一環として、定期的な健診も血尿の早期発見に有効です。 上の文章は、AIが作成した血尿についてのコラムです。 大変よくできていると思いますが、なにより驚いたのは、血尿について最も強調しようと思っていたことを、見事に言い当てていたことです。 それは、「たとえ一度きりでも自己判断せず」の部分です。AIがこの短い文章にも取り上げたということは、それだけ多くの泌尿器科医が、このことを強調しているとも言えるでしょう。 血尿が出たけど、1回だけだったので放っておいた。数か月から数年経って、また1回だけ血尿が出て、さらに放っておこうと思ったけど、心配した家族に連れられて来院。検査の結果、膀胱癌がかなり進行していた。といったことは実は泌尿器科医の中では「あるある」なのです。 一度の血尿であっても、まずは泌尿器科を受診してみてください。 一方、AIの文章にある「痛みを伴う血尿は尿路結石」の文言には注意が必要で、結石とは限らず、膀胱上皮内癌の可能性があります。子宮頸部の上皮内癌と違って、膀胱のそれは、悪性度が高い癌なので、要注意です。 膀胱癌の診断には膀胱鏡が必要です。痛い検査というイメージがありますが、柔らかい素材の細いファイバーでの検査ですので、安心して受診してください。 大切なのは、とにかく自己判断せず、血尿が出たら、まずは泌尿器科に相談していただきたい、ということです。 院長 藤田喜一郎